北辰テスト数学・理科の分析から見る!埼玉県立入試への対策法

第1回北辰テスト(4/26実施)を実際に解いてみた――2027年入試改革を「問題」から読み解く

スマイルスタディ清瀬では、新座六中・柳沢中をはじめ、埼玉県の中学校に通う生徒さんも在籍しています。そこで、4月26日に実施された第1回北辰テスト(中学3年生対象)の問題を実際に解いて分析しました。今回の記事では、単なる「問題の解説」ではなく、2027年度から大きく変わる埼玉県公立高校入試の変化を、実際の問題を通じて俯瞰することを目的としています。

入試改革については、教育委員会から様々な説明がなされています。しかし、実際の問題に向き合ってみると、表向きの説明だけでは見えてこない部分も出てきます。保護者の皆さんに、できるだけ具体的にお伝えしたいと思います。

まず知っておきたい:今回の難度分布

今回の北辰テストを分析した結果、数学・理科ともに易しめの問題が全体の7割前後を占めるという結果になりました。3年上旬の模試は難易度が落ち着いていますが、これは例年との比較でも大きな変化はなさそうです。10月~12月にかけて難易度が上昇していくという流れも、例年と同様の傾向であると考えています。

難度分布

  • 数学

C(難):20% 4(1),(2)①,②→18点分

B(普):10% 2(4),3(2)→9点分

A(易):70% 上記以外→73点分

  • 理科

C(難):10% 4問5、5問1,3→13点分

B(普):20% 2問5、3問3、4問2、5問2,4,5→21点分

A(易):70% 上記以外→66点分

数学は73点分、理科は66点分が「易しめ」の問題です。第1回ということもあり、基礎〜標準レベルの問題が大半を占めています。ただし、難しい問題はかなり難しい。問題ごとの難度の落差が大きいのが今回の特徴です。この「易問が大部分・難問は極端に難しい」という二極化の構造は、2027年入試に向けた変化と無関係ではないと見ています。


結論①:「基礎の網羅」が最重要

難度分布のデータが示す通り、易しめの問題で確実に得点できるかどうかが、合否を大きく左右します。中3の最初の模試である今の時期は、難問に挑戦するより「基礎を網羅する」ことに集中すべき時期です。具体的には以下の点を意識してください。

  • 計算ミスをなくす練習を日常的に行う
  • 教科書レベルの知識事項を確実に押さえる
  • 「なんとなく解ける」ではなく「なぜそうなるか」を説明できるレベルまで理解を深める

難問に時間を費やして基礎が抜けているお子さんと、基礎を完璧にしているお子さんとでは、模試の点数に大きな差が出ます。今の時期の学習の軸は、あくまで「基礎の網羅」です。

マークシート方式への変化:本質は何か

2027年度から、埼玉県公立高校入試の学力検査は9割がマークシート方式になります。北辰テストでも、マークシート形式の問題が増えてきている印象を受けました。ただし、現時点では完全移行ではなく、記述形式も残っています。北辰テストがいつ完全移行するかは、現時点では明らかにされていません。

ここで重要なのは、「マークシート=簡単になる」ではないという点です。

今回の数学の問題を見ると、マークシートといっても「4択から選ぶ」形式ではなく、穴埋め形式になっています。旧センター試験(現・共通テストの前身)の数学をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。答えの数値をマークシートに塗りつぶす形式です。この形式であれば、問題の難易度を上げることは十分可能です。「選択肢から選べばいい」という甘い話ではありません。理科も同様の形式になると予想されます。

では、何が変わるのか。

変わるのは主に、採点にかかる時間と手間です。記述式の答案を一枚一枚読んで採点する作業と、マークシートを機械で読み取る作業では、採点側の負担がまったく異なります。また、調査書(内申書)のスリム化、面接の低配点化にも、同じ方向性が見えます。評価の対象を「数値化・標準化しやすいもの」に絞り込んでいくという流れです。

受験生・保護者の皆さんへの影響という観点からは、「難易度は実質的に変わらない」と考えておくのが現実的です。形式への慣れは必要ですが、求められる学力の本質は変わりません。


結論②:「正確に選ぶ・埋める力」が新たに問われる

記述式では、途中の考え方が合っていれば部分点がもらえます。しかし穴埋め・マークシート形式では、答えが合っているかどうかだけが問われます。つまり、「なんとなく解けた」では通用しなくなります。これは特に数学で顕著です。途中の計算が一箇所でも間違えると、答えが全く変わってしまいます。「考え方は合っていたのに計算ミスで0点」という事態が、記述式より起きやすくなります。理科でも同様に、「だいたいこのへん」という曖昧な理解ではなく、正確な数値・語句を答えられる力が求められます。

対策として意識してほしいこと:

  • 答えを出すまでの計算を丁寧に、最後まで正確にやり切る習慣
  • 「大体わかる」ではなく「正確に言える」レベルまで知識を固める
  • 模試の問題を解く際に、「なぜこの答えになるか」を言語化できるか確認する

数学・各大問の具体的なポイント

大問1(計算・基礎問題)

(1)〜(6)が単純な計算、(7)以降がやや考えさせる問題という、例年通りの構成です。

特に注目してほしいのが2問です。

(9)の扇形の問題は、学校の授業でも復習する機会が少ない単元です。間違えた・悩んだ場合は、この機会に弧の長さと面積の公式を整理しておきましょう。

(10)の箱ひげ図の問題は、学校によっては1学期中間テストの範囲に含まれています。模試で出た今の時期に復習しておくと、定期テスト対策にもなります。

大問2(文字式・証明)

(4)は標準レベルの問題ですが、考えるのに時間がかかるタイプです。試験中に「時間がかかりそう」と感じたら、一旦後回しにして次の問題に進む判断が重要です。「後回しにする勇気」も得点力のうちです。

(5)は穴埋め形式になっており、見た目より実は易しい問題です。文字式による証明は、書き方の流れがほぼ決まっており、頻出パターンも多くありません。少し練習を積むだけで得点源にできる分野です。まだ取り組んでいないお子さんは、ぜひ早めに着手してください。

大問3(関数と図形の融合)

直線のグラフと図形を組み合わせた問題です。学校の授業ではなかなか時間をかけて学習できない単元ですが、模試や入試では毎回のように出題されます。

(2)は「パラメータ(媒介変数)を使う問題」と呼ばれるタイプで、最初に求める値を文字でおいてから解き始める必要があります。慣れるまでは取っつきにくいですが、高校数学でも頻繁に使う考え方です。この機会に解き方の流れを身につけておくと、後々大きな財産になります。

大問4(平面図形)

今回の数学で最も難しかった大問です。北辰テストの平面図形(特に最終問題)は難度が高いことで知られていますが、今回はその中でもかなり難しい部類でした。

(1)の合同の証明は、使う合同条件と等しい2辺の表し方は分かるが、等しい角の表し方に悩む問題でした。こういうとき大切なのは、「分かるところだけを書いて部分点を取りに行く」姿勢です。完答できなくても、書けることを書くことで点数が積み上がります。

(2)は補助線(線分BE)を引く発想が難しく、完答を目指すより前の問題の見直しに時間を使った方が得策です。難問に固執しない判断力を、模試を通じて養っていきましょう。


理科・各大問の具体的なポイント

大問1(知識総合)

知識問題が中心ですが、単純な暗記では解けない問題も含まれていました。

問4・問5は「電流・電圧・抵抗の意味が分かっているか」「粒の大きさと沈み方の関係」を問う問題です。「意味を理解した上での知識」が問われています。丸暗記だけでは太刀打ちできない問題が増えている印象です。

大問2(天気)

天気の分野は、知識問題と計算を含む思考問題が混在する難しい単元です。

今回特に印象的だったのが、台風の基準となる最大風速(17m/s)を問う問題です。この数値は単純に暗記するより、「時速に換算すると約65km/h=自動車の速度より少し速い」というイメージと結びつけると定着しやすくなります。数値をそのまま覚えるより、日常のイメージと結びつける暗記法が、理科全体で有効です。

大問3(消化と吸収)

実験の結果を読み取って考える問題が出題されました。

問3は「デンプンの粒は糖の粒より大きい」という知識があれば解けます。さらに「消化酵素によって分解されるのだから、分解前のデンプンの方が当然大きい」という理解があれば、暗記しなくても答えが導けます。「覚える」と「考える」を同時に進める学習が、理科では特に重要です。

大問4(化学変化)

炭酸水素ナトリウムの熱分解を題材にした問題でした。

この大問が示していたのは、化学を学ぶときの「型」です。1つの実験について以下の4点をセットで整理する習慣をつけると、知識が体系的に積み上がっていきます。

  1. 実験の手順と注意点
  2. 化学反応式
  3. 生成物の性質
  4. その検出方法

この「型」で整理する習慣は、他の実験単元にもそのまま応用できます。化学が苦手なお子さんは、まずこの型を意識して教科書を読み直してみてください。

大問5(光の反射・屈折)

中1の内容ですが、応用問題になると途端に難しくなる単元です。今回は特に難度が高い問題でした。

ただし、問2・4・5は作図をすることで解ける問題です。他の問題の復習が終わっているなら、作図の手順を確認しておくと得点源にできます。光の分野は「作図ができれば解ける」問題が多いため、作図の練習は費用対効果が高い対策です。


保護者の皆さんへ:今の時期にすべきこと

第1回北辰テストは、中3の最初の模試です。この時期の結果に一喜一憂する必要はありません。大切なのは、「どこで取れて、どこで取れなかったか」を把握し、夏休み前の学習に活かすことです。

今の時期に意識してほしいことを3点まとめます。

① 基礎の網羅を最優先に

数学・理科ともに、易しめの問題が7割前後を占めています。難問に挑戦する前に、基礎問題を確実に取り切れる状態を作ることが最優先です。

② 形式への慣れは必要だが、本質は変わらない

マークシート形式が増えていくことは事実です。しかし穴埋め形式である以上、求められる学力の本質は変わりません。「形式が変わるから簡単になる」という期待は禁物です。正確に答えを出す力を地道に積み上げることが、新形式への最大の対策になります。

③ 面接は低配点だが、準備は早めに

2027年入試では面接が全員必須となりますが、配点は30点です。合否の軸はあくまで学力(500点)と内申点です。ただし、ボーダーライン付近では面接の30点が逆転合格を生む可能性があります。面接で話す材料(部活・委員会・学校外での活動)の整理は、夏休みのうちに始めておくことをお勧めします。


スマイルスタディ清瀬では、北辰テストの結果をもとに一人ひとりの課題を把握し、個別指導に活かしています。成績表や答案をお持ちいただければ、具体的なアドバイスをお伝えします。お気軽にご相談ください。清瀬市や新座市の中学生を対象に、学校ごとの定期テスト対策・内申点対策を行っています。

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