中学数学で“つまずく”分野とその勉強法

中学1年生【つまずく分野】:中学数学の3つの壁「①文字式」「②空間図形」「③データの活用」

  • 文字式の壁:「を用いた方程式の文章題(第3章)」&「x, yを用いた比例の文章題(第4章)」
  • 空間図形の壁:「(空間図形)円錐の表面積(第6章)」
  • データの活用の壁:「データの活用&確率(第7章)」

中学2年生【つまずく分野】:「一次関数の利用」「証明(三角形の合同)」

  • 一次関数の応用問題の壁:「傾きが変わる直線の応用」
  • 証明の壁:「三角形の合同証明(平行四辺形の成立条件も含む)」

中学3年生【つまずく分野】:「二次関数」「三平方の定理」

  • 二次関数:「変化の割合、二次関数の文章問題、放物線と直線」
  • 三平方の定理:「入試頻出だが中学では受験直前に扱うことの難しさ」

 

中学1年生【つまずく分野&勉強法】

3つの壁「①文字式と文章題」「②空間図形」「③データの活用」

① 文字式と文章題の壁

未知数xを用いて、「代金や所持金を求める」問題や「距離・時間・速さを求める」問題に大きな壁があります。大半の生徒が計算(方程式)はできるのですが、“文章の読み取り”に難しさを感じています。例えば、こんな問題です。

問題1(教科書より抜粋)ある数に4を加えた数の3倍は、もとの数を5倍して2を引いた数に等しい。もとの数を求めよ。 [答:7]

 

  • 計算式は「 3(x+4)=5x-2 」となるのですが、それが“つまずき”の原因ではありません
  • (ある数)=(もとの数) が読み取れない生徒が多いのです。

ただ、次のように説明すると納得してくれるものです。

説明)「ある数に4を加えた数の3倍」は… 

{(ある数)+4}×3  となるよね。

この場合の「もとの数」は次のうちどれかな? 

ア){(ある数)+4}×3  イ )(ある数)+4   ウ) (ある数)

“もとの数”って言ってるんだから(ウ)でしょ。

じゃあ、(ある数)=(もとの数)=x  だね…。

3(x+4)=5x-2 を計算して、x=7  よって、(ある数)=(もとの数)=7  答:7

【「文字式の壁」を突破する勉強法】ポイント:文章の読み取り

  • 理解度には個人差がある。とにかく焦らない。焦らせない。
  • つまり、パターン演習から抜け出す。(パターン演習:公式→計算→答)
  • 「わかっていること」を書きだして(問題文の情報を)整理する。

のような「読解的な要素の強い」問題で、結論を急ぎすぎると必ず“つまずき”が出ます。公式が簡単に当てはめられないからです。理解度には個人差があるので、「ゆっくり」「丁寧に」説明する時間を取ってほしいと思います。絶対に答えを急かすようなことはしないでください。学校でも(上のように)、じっくりと背景を説明していけば、誰でも理解できるようになります。ただ、先生方も忙しいので、その部分に時間を割くことができません。また、中学受験ではこのような“つまずき(=文章の読み取り)”が頻発します。ちゃんと文章を読めていないのに計算しようとするのです。なんとなく、それっぽい計算を繰り返し「当たったらラッキー」「はずれたら、まあいいか」となって、【なぜそうなるか?】に意識が向きません。このような生徒の場合、「親御さんが結果を急ぎ過ぎている」ことが多く、また「子どもに精神的余裕がなくなっている」ことがほとんどです。こうなると、無理やり公式をこじつけて、脈絡のない計算を繰り返すようになってしまいます。パターン演習の弊害です。

対策と言えるほどではありませんが、とにかく「わかっていること」を書きだして整理させるようにしてください。一度、理解し解けるようになると自信がつくので、しっかりと文章を読み取る“精神的な余裕”が生まれてきます。文章題は「とにかく図を書け」と指導されることは多いのですが、苦手な生徒にとって「図を書く」ことが、そもそも難しいのです。だから、その前に「わかっていること」を書きだして「整理させる」習慣をつけるだけでも“文章題”は解けるようになります。慣れてきたら少しずつ“図を書く”トレーニングに移っていけばよいのです。このように教えていくと、数学と国語が同時に伸びていきます。

(わかっていることの整理)→(図を書く)→(式を立てる)→(計算する)→(答を出す)

 

問題2(教科書より抜粋)100円のドーナツと、120円のパイを合わせて20個買うと、代金の合計は2140円であった。ドーナツとパイをそれぞれ何個買ったか答えよ。 [答:ドーナツ13個、パイ7個]

 

【わかっていること】

「ドーナツ」と「パイ」の2種類を買った

  • ドーナツ:個数? 値段100円
  • パ  イ:個数? 値段120円    
  • 合  計:個数20個 代金2140円 

→  ドーナツx個 ,パイ(20-x)個 として

「どんな式が立てられるかな?」

100x+120(20-x)=2140   計算して x=13   答:ドーナツ13個、パイ7個