中学生の学びの変化と留意点

私たち親世代と今の中学生の学習内容には大きな違いが2つあります。1つ目は「難易度の差」、2つ目は「新分野の追加・統合」です。それに応じて各教科の勉強法も変わっていきます。中学生にとっては、定期テストの結果が内申に直結するので、その点(内申をどう上げるか?)も気になるところだと思います。

1つ目の「難易度の差」とは文字通り、学習内容の難易度が上がっているということです。親世代からすると「中学数学=計算」という印象をもつ方は多いと思います。(中学や高校などの)受験では、文章題や応用問題が出されることはありましたが、学校の定期テストは「勉強すれば点が取れる」内容だったのではないでしょうか。しかし、今は少し違います。文章問題が(学校の)定期テストでも出題されるようになっています。つまり、【文章の読み取り→立式→計算】タイプの問題が増えているのです。また、数学だけではなく、他教科でも文章量が増えているのが特徴です。英語でも、大半の学校が定期テストで「初見の英文(読解)を入れる」ようになりました。昔は、定期テスト(英語)なら教科書の英文が抜粋され、それに答える問題が多かったと思います。一度、読んだことのある英文なのですから、それほど難しいわけではありません。対策も事前にできます。しかし、今では教科書外の(初見の)英文を読むことになるわけです。これも一つの傾向と言えるでしょう。

2つ目の「新分野の追加・統合」とは、今までなかった学習項目が一部追加され、一部が別学年に移行するということです。中学1年生の内容に新たに追加されたのが「データの活用」です。高校1年生(数学Ⅰ)にも「データの分析」という新分野が入りました(2012年)。中学1年でも平均値に加えて、中央値や最頻値など、統計学の基礎が入ってきています。

2025年に新学習指導要領がスタートし、大学入試が「知識の多寡 → 知識の運用・活用」へ移行する流れが明記されました。高校の学びが変わるわけですから、それに付随して中学校の学びも変化していきます。小学校もしかりです。今がまさにその過渡期にあるわけですね。保護者の皆さまも『学校によって、通知表(内申)の5が取りづらい中学校がある』という話を聞いたことはありませんか? 同じ教科書を使い、同じ時間数の授業を受けているのに、中学校によって『内申(評定)の取りやすい学校』と『取りにくい(難しい)学校』があるわけです。「なぜ?」と思いますよね。実は、この部分と“新指導要領”には密接な関係があります。そのカラクリをご説明します。

中学校によって「通知表(内申)“5”が取りづらい」学校がある理由

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