不登校になることでの課題とその対策

高卒資格とその後の就職について

・小中学校で不登校になっても学校は卒業できる

・高卒資格を取得するなら「広域通信制高校」という選択肢もある

不登校になると「高卒の資格が取れず就職で困る」と考える親御さんは多いと思います。しかし、教育機会確保法(2017)の成立により、学校に行けないことが不利にならない法的根拠が定められました。上越教育大教授の西川純氏は、著書の中で「公立の小・中学校にまったく行かなくても過程修了の卒業証書がもらえる*」と書いています。高校受験時に必要になる書類(卒業証明書)は中学校に申請すればもらえます。ただし中学校の欠席日数が多ければ、公立普通高校や私立高校への進学が難しくなるという現実はあります。

また、高卒の資格は就職で必要になる場面は多いですよね。高校で不登校になれば卒業資格は得らませんが、その場合、広域通信制高校という選択肢もあります。通信制高校ならば3年間の課程を修了すれば高卒資格が取れます。小中学校の課程に対応した通信制学校は少ないですが、特色あるフルースクールは増えています。金銭的な問題がカバーできれば、子どものペースにあった学びの場が見つかるかもしれません。だからこそ小学生で不登校になっても、それですべての選択肢が断たれるわけでないということは忘れないでください。

*『Society5.0に向けた進路指導-個別最適化時代をどう生きるか-』西川純・網代涼佑,明治図書

●不登校になることでの課題

①学校に行かなくなることで生活のリズムが崩れる

②学校の勉強についていけなくなるという不安

③家族以外の人とのコミュニケーションの減少(社会との接点のなさ)

①生活のリズムが崩れる

「家にいる時間が長くなることでの生活リズムの乱れ」「体を動かさなくなるので夜寝られなくなる」という課題に対して、“生活のリズムを整える”何らかの習慣的な体験・経験が必要になります。定期的な時間に起きて、朝ごはんを食べ、何らかの活動に参加する場所が必要ですね。具体的な手立てが「農作業」と「清掃活動」です。近所に農家さんはいませんか。知り合いのツテをたどって、簡単な農作業だけでも定期的に手伝わせてもらうことができれば、子どもにとってよい“居場所”になると思います。また、農作業は実際に「身体を動かすこと」と「その成果が見えやすい」という点で非常にやりがいのあるものです。また、清掃活動もこれといった制約もなく定期的かつ小規模で継続することも可能です。

②学校の勉強についていけなくなるという不安

不登校の子どもをもつ親御さんにとって、「勉強に遅れてしまう」という不安は誰もが感じることだと思います。しかし、まずは外向きのエネルギーを取り戻すことの方が重要です。焦る気持ちはわかりますが、オーストリアの教育者・哲学者であるシュタイナー(シュタイナー教育の創設者、1861-1925)は、“読み書き計算”を大人が必要以上に重視すべきでないと書いています。読み書き計算(国語、数学、理科、社会等)は大人になってからでも取り戻せるからです。「自己評価を下げない」ことや「自分を閉じてしまわない」ようにすることの方が大切です。外向きのエネルギーが回復すれば、(不登校だった子どもが)自ら進んで勉強を始めることは珍しいことではありません。

③家族以外の人とのコミュニケーションの減少(社会との接点のなさ)

子どもにとって、親や兄弟以外の関係性は重要だと思います。(親や教員など)縦の関係でもなく、(同級生など)横の関係でもない“ナナメの関係”が社会性を育むきっかけになると言われています。近所付き合いがなくなってしまった昨今では、この“ナナメの関係”を構築することが難しくなっています。やはり、この点は家庭以外の外部機能を頼るしかないのではないかと感じています。

●『やりがいとしての仕事』と『仕事以外のやりがい』

仕事を軸とする生き方だけを求めると「必要な学力」に際限はなく、足りない自分から逃れられなくなってしまいます。学歴や華々しいキャリアが、永続的な未来を約束してくれない社会になっています。しかし、「努力は必ず報われる」という偏った精神論が学校には根強いのも事実です。だから無理をしてでも「がんばれ」というメッセージが、子ども達を苦しめているように思えます。しかし、社会的に成功したビジネスマンのキャリア形成を調べたところ、8割以上が偶然の出来事(=運)であったという研究が報告されています(「計画的偶発性理論」ジョン・D・クランボルツ,1999)。だから、「努力をしなくてよい」というわけではありません。“仕事だけを軸にしない生き方”があってよいのではないかと思うのです。例えば、28歳は80%『やりがいとしての仕事』-20%『仕事以外のやりがい』、40歳は40%『やりがいとしての仕事』-60%『仕事以外のやりがい』というように変化していくことが一般的になっていくと思うのです。幸せになるためのリソースを数多くもっておくためには、『やりがいとしての仕事』と『仕事以外のやりがい』の2つが時間的に変化していく方ことの方が自然だと思います。そのように考えると、子どもに「どうしても必要な力」は、自分の「好き」を知り、仲間をつくることくらいではないでしょうか。それ以外の○○力というのは、大人になってからでも身につけられるからです。自分の「好き」を知ったうえで、外向きのエネルギーを失わないようにしておけば、子ども自身が自己選択しながら「こうなりたい」というビジョンを描けるようになると思います。大人にとっても時にはゆっくり休む時間があってもよいのではないでしょうか。

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